犬の身の回りで起こるトラブル

吠える犬
犬と暮らしていると、下記のようなトラブルに巻き込んだり、トラブルを引き落としたりする可能性があります。

  • 噛みつき
  • 飛びつき
  • 吠え
  • 近隣住民からの苦情
  • 事故
  • ケンカ
  • ケガ
  • 追い回し
  • 糞尿
  • 抜け毛
  • いたずら
  • 盗難
など

今まで犬を飼ったことがない方でも、いくつかは被害者側として経験があるかもしれません。
これらのトラブルを起こり得るシーンごとに検討していきましょう。

トラブルの回避方法~自宅・係留中~

犬の抜け毛

考えられるトラブル

自宅にいるときや外出中に遭遇する可能性のあるトラブルは、主に下記の6つです。

  • 近隣住民からの苦情
  • 噛みつき
  • 脱走
  • 事故
  • 盗難
  • いたずら

近隣住民からの苦情は吠えなど主に音に関することが多いですが、ほかには抜け毛、臭いもあります。

脱走は、庭で遊ばせていて目を離したすきにいなくなっていたというケース、開けっ放しにしていた玄関や窓から出て行ってしまったというケースが多いです。
また、家から飛び出してそのまま事故にあってしまうというトラブルも発生しています。

脱走も盗難も犬から目を離したときに起こるもので、いつどのようにしていなくなったのかは実際にはよくわからないということも少なくありません。
また、脱走か盗難かどちらか判断できないというケースもあります。

トラブル回避・防止方法

吠えに関しては、吠えないようトレーニングをおこないましょう。
まずは愛犬の要求を理解し、吠えない状況づくりからはじめます。玄関チャイムや宅配バイクなど、吠える対象がはっきりしている場合はおやつなどを使ったトレーニングが有効です。
飼い主さんがいないときに吠えていないか留守時の様子を把握するために、ご近所さんへ確認するのも方法のひとつです。

また、抜け毛の飛散によるご近所トラブルもあります。
散歩中はもちろん、自宅ベランダや庭など、屋外ではブラッシングしないよう配慮しましょう。

脱走・盗難防止としては、戸締りの徹底や飛び越えられそうな場所へフェンスの設置などを検討してください。盗難やいたずら、事故などは「犬から目を離さない」ということを徹底します。

お店や施設の前に犬のリードをひっかけられる「リードフック」が設置されていることがありますが、それに頼りきりになるのはあまりおすすめできません。
「犬から目を離さない」というのはトラブル防止において基本であり、もっとも重要であるからです。
しっかりつないだつもりでも抜けることがありますし、故意に外されたり攻撃されたりいたずらされたりする可能性もあります。
飼い主さんは少しの用事でもいったん帰宅し、犬を連れている散歩中は寄り道をしないよう徹底しましょう。

トラブルの回避方法~散歩中~

散歩中の犬

考えられるトラブル

散歩中に遭遇する可能性のあるトラブルは、下記の4つが主になります。
  • 吠え
  • 噛みつき
  • 飛びつき
  • 事故
吠えや噛みつき、飛びつきなどは、犬や猫、車など愛犬の興奮対象となっているものがあるはずです。
興奮したままでいると、事故につながってしまうケースも少なくありません。

トラブルの回避・防止方法

噛みつきや飛びつきの多くは、興奮状態にあることが原因です。まずは普段の散歩のなかで犬を落ち着かせるトレーニングをおこないましょう。

吠えや飛びつきの対象となっているものよりも、飼い主さんの声やおやつに注目できるよう練習します。
飼い主さんの呼びかけに反応できるようになれば、トラブルが起きる確率はうんと少なくなるといえます。

どうしても克服できないものがある場合は、散歩コースや散歩時間の変更を考えましょう。
また、よその犬や子どもなど、愛犬が苦手としている対象とどうしてもすれ違わなければならないときは、リードを短く持ち、向こうが行くのを立ち止まって待ちます。

噛みつかれそうになったり飛びかかられたりと、被害者側になりそうなときも同じです。
愛犬に平和な散歩を楽しんでもらうためにもトレーニングをおこない、相性がよくない相手がいる場合には、回避することなどを検討してください。

愛犬が興奮し、急に駆け出したり強く引っ張ったりした際に、首輪のすっぽ抜けやリードを手離してしまい、思わぬ事故につながることがあります。
首輪やハーネス、リードなどは、サイズや傷み具合をまめに確認するようにしましょう。
散歩中のノーリードはトラブルしか生みません。絶対にしないようにしましょう。

排せつに関しては、散歩を「トイレタイムにしない」という飼い主さんの意識改革も必要です。
散歩中の排せつ問題がなくなれば、トラブルの心配は格段に少なくなります。完全には難しくても、「トイレは家で」とできるよう、取り組んでみましょう。

トラブルの回避方法~ドッグラン・ドッグカフェ~

ドッグカフェ

考えられるトラブル

ドッグランやドッグカフェなど、犬が多く集まる犬専用施設で起こりやすいトラブルは下記の4つです。

  • 吠え
  • 噛みつき
  • 追い回し
  • 排泄

吠えや追いかけっこで興奮が高まり、噛みつきや追い回しに発展してしまうことがあります。
ドッグラン内では双方にリードがついてない状況が多く、捕まえたり引き離したりするのが困難なため、トラブルに発展しがちです。

トラブルの回避・防止方法

ドッグランは、ノーリードで自由に走らせることができる特別な場所です。
まずはマテや呼び戻し、オスワリなど、基本のしつけが習得できてから利用するのがマナー。お店や施設の利用規約も事前にしっかり確認しましょう。
ラン内は排泄禁止だったり、中型犬用と小型犬用など体重ごとにエリアを分けてあったり、おもちゃの持ち込みは禁止だったりと、トラブル防止のための多くのルールがあるはずです。

ドッグカフェなどの犬同伴可の施設を利用する際は、排せつのルールを守ってください。トイレシーツを敷いたり、マナーパンツを履かせたりするのもいいでしょう。

吠えや噛みつきがどうしても心配な場合には、口輪を活用するという方法もあります。
口輪は、水が飲めるくらいには口を開けられるものもあり、短時間であれば、見た目ほどは犬も窮屈ではないでしょう。
しかし吠えや噛みつきの心配がある犬を、わざわざドッグランやカフェなどに連れて行く必要はありません。
すべての犬が走るのが好きで、社交的とは限りません。愛犬の性格や嗜好をしっかりと見極めることも大切です。

もしトラブルになってしまったら

ケガをした犬
あらゆる対策を講じ防止に努めても、トラブルを100%防げるとは限りません。
万が一トラブルに遭ってしまったときは、どうすればよいか知っておきましょう。
被害者側と加害者側に分け、対処法を解説します。

被害者側の場合

連絡先の交換

必ず連絡先を交換しましょう。

ケガをしている場合は病院へ

ケガをしている場合は病院へ行きます。その際、診断書と領収書を出してもらい、保管しておきます。

咬傷事故の場合

相手の犬に噛まれた場合、まずはワクチン接種済みの証明書を確認させてもらいましょう。その後、管轄の保健所に連絡を入れます。
また、傷の深さに関わらず、必ず病院を受診してください。心配なのは狂犬病だけではありません。破傷風やパスツレラ症の発症リスクもあります。

受診の際には相手に同行してもらうのがベストです。同行が難しければ、診断書と領収書を忘れずに発行しておきましょう。
破傷風ワクチンを接種することになった場合は、数回の通院が必要になります。

場合によってはしかるべきところに相談

謝罪がない、ワクチン接種証明書を見せてもらえないなど、相手が非協力的な場合は警察への被害届も検討しましょう。
相手が協力的であっても、重傷を負い、後遺症が残った場合などは慰謝料の請求も可能です。

そのほかにも、相手の犬がノーリードであったり、簡単に脱走可能な状態に犬をおいていたり、過去にもトラブルがあったりした場合などは、飼い主さんを過失傷害罪で訴えることもできます。

加害者側の場合

連絡先の交換

必ず連絡先を伝えてください。
犬の鑑札、狂犬病ワクチン接種済票の番号も控えてもらいましょう。

謝罪と連絡

まずはお詫びをします。ここできちんとお詫びをしなければ、のちのちトラブルが大きくなってしまう可能性があります。
犬が飛びつくなどをして相手を転ばせたりケガをさせてしまったりした場合は、病院へ行ってもらいましょう。
咬傷事故(噛んでしまった)の場合は、管轄の保健所か動物愛護センターに連絡をし、指示を仰ぎます。
噛んだ相手が犬の場合はすぐに動物病院へ、人の場合もすぐに病院を受診してもらいます。できるだけ付き添うようにしましょう。

ペット保険の確認

ペット保険に加入している場合は、ペットの賠償責任特約の有無を確認してください。

まとめ

飼い主と犬
犬と暮らしはじめたときに最初に取り組むことで、もっとも有効なトラブル回避対策は、「飼い主さんと愛犬の信頼関係構築」です。
信頼関係構築は、飼い主さんにぶれがなく、トレーニングもイライラしたり怒ったりせずにおこなうことが基本です。
また、トラブル回避には、愛犬のこともよく知っておく必要があるでしょう。愛犬の好きなもの、苦手なこと、怖いと思っているもの、相性が悪い相手などを把握しておくことでさまざまなトラブルを防ぐことが可能です。